宇宙創造 3000年前から今日まで

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大きな宇宙と宇宙で最も小さい素粒子

大きな宇宙、(蛇の頭の方)を観測すると上の写真のように、ビッグバンから7億年後まで見えるようになりました。もう少し前(蛇の頭)が見えるようになれば、物質は水素の塊しか存在しない宇宙になります。
さらにもう少し前、つまり蛇の頭の向こう側、を見ることができればビッグバン直後の素粒子の世界が見えてきます。
このようにして大きな宇宙と小さな素粒子はつながっています。

ガリレオは「宇宙は第二の聖書である、この聖書は数学の言葉で書かれている」と言いました。 数学で書かれている物理学の美しさと宇宙の美しさからその美の創造者を悟ることができます。

多くの人々が神の存在と科学は敵対的な関係にあると思っています。これは科学によって理解した宇宙創造論や進化論がキリスト教の聖書にある記述と矛盾すると考えられるからです。わたしは科学者として、また聖職者としてこの問題に正面から立ち向う努力をしています。神奈川大学で行った教養科目、講話、アルファコースの教材などからこの問題について理解を深めていただければ幸いです。

人間より大きいものが蛇の頭に方、小さいものが蛇の尻尾の方。
加速器で宇宙の初めに有効だって素粒子論を探ります。

神が羊飼いに告げた言葉

約3000年前のユダヤ人は遊牧民でした(図1)。自分達の財産は羊であり、テントを担いで羊が食べられる牧草を求めて転々と移動していたのです。彼らは順番で徹夜して羊の番をしていました。オオカミなどに羊が襲われない限り、見るものは夜空しかありません(図2)。毎年同じ頃になると同じ場所に星座が見えることに気付いたでしょう。この宇宙には初めも終わりもないと思ったでしょう。「誰がこの夜空を作ったのだろうか」と考えたに違いありません。
  彼らは神様が自分たちを守ってくだされと信じていました。神と会話する手法も覚えました。神は羊飼いに伝えました(図3)。当時すでに字はありましたが、神からいただいた言葉は畏れ多く字で記録せず、大事にして全てを心に入れて、世代から世代へと伝えられていきました。このようにして神の言葉は口承として残りました。
  羊飼いたちは自分の番が来ると徹夜して羊を守ります。そのとき、彼らは夜空を眺めて神の偉大さを心に染み込ませながら唱えます(図3)。
  約2500年後にこの口承は字で記され、創世記と呼ばれる聖書の最初の本になりました。その最初の言葉は

  「初めに神は天地を創られた」です。

人間は長い間この意味を理解しませんでした。この偉大な夜空に「初めに」つまり「最初」があるなんて!
  

図1 神が「初めに神は天地を創られた」と羊飼いに伝えた
羊飼いは羊を守りながら夜空をみる

ビッグバンの発見

羊飼いが神の声を聴いた約3000年後にアインシュタインは重力の理論を発見し、現在アインシュタイン方程式として知られている式を解き、世界初めて宇宙論を築きました。しかしながら、アインシュタインは自分の先入観「宇宙には初めも終わりもない」に沿った宇宙の解を出すために、現在知られている「宇宙項」を無理矢理に入れて、式を解き、何の面白みがない宇宙論を発表しました。もちろんアインシュタインの重力の理論は革命的であり、絶賛されました。

  考えてみてください。20世紀の最大の天才であるアインシュタインが気付かなかった「宇宙の初め」をなぜ3000年前の羊飼いが解らずに「初めに」と口承に入れたのでしょうか。常に夜空を見ていた羊飼いこそ宇宙には「初めも終わりもない」と考えたのではないでしょうか。
  私はこの言葉こそ羊飼いが神からいただいたと思います。聖書の初めの言葉「初めに」は明らかに神からの贈り物です。

  ルメートルはアインシュタインの式を初めから導き直して、宇宙項は必要ないことを見抜き、アインシュタイン方程式を解くと宇宙は膨張していることに気付きました。膨張していると言うことは時間を戻せば宇宙は縮小する。いずれこの宇宙は一つの原子のサイズまで縮小することに気付きました。初めに、この宇宙に存在する全ての物体やエネルギーが、原子のように小さい空間に存在する。それがこの宇宙になるまで膨張する。これがビッグバン宇宙論です。
  
そして「初め」がある宇宙がアインシュタイン方程式の解であることを示しました。ルメートルの論文を読んだアインシュタインは「ルメートルは司祭だからこんな馬鹿なことを言っているのだ」と怒っていましたが、最後にはこの論文を絶賛していました。
  
アインシュタイン
ルメートル

ビッグバン

ルメートルがビッグバンを提唱した後、原子核物理学で核融合や核分裂の物理学が解明されました。(残念ながら核兵器の物理学も解明されました。)

太陽は水素の塊であり、水素が核融合でヘリウムになるとき光が投出され、そのエネルギーをもらって私たちが生きることも理解されました。星の中で水素が核融合で燃え尽きると、燃えたときにできる灰、ヘリウムの塊が重力によって星の中央に押し込まれ、複数のヘリウムの核融合によって大きな原子核ができることもわかってきました。私たちの骨を造るカルシウムもこの時期にできました。
あまりのも大きな数字や、小さな数字を書くときには左上に説明したように書きます。
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